STORY
”STORY Episode.01”では、このウェブサイトの美しい写真の数々を撮って下さったフォトグラファー、川しまゆうこさんをご紹介いたします。
川しまゆうこさんは、人々の暮らしや食、旅、農業、ものづくりに焦点を当てて写真を撮られながら、畑を借りて野菜を育てつつ、さらにはゲーリックフットボール(サッカーとラグビーとバスケットボールを混ぜたようなアイルランド発祥のスポーツ。川しまさんにお聞きするまで知りませんでした。)の日本代表メンバーの一人で、国内外を飛び回るというパワフルなフォトグラファーさんです。
川しまさんに初めてお会いしたのは、東京国立市にあったお店カゴアミドリさんで2019年に開催された当工房の企画展「わら細工たくぼの仕事展」でした。
その企画展の打上げでお話したことをきっかけに私たちの仕事を撮っていただくようになりました。
それから現在に至るまで、田植えや稲刈りなどに合わせて工房のある日之影町まで足繁く通っていただき、わら細工たくぼの仕事とともに日之影町のうつろう季節も撮影してくださっています。
初めての撮影は、企画展の打上げでお話してから4ヶ月後の田植えでした。
川しまさんにお会いするのも2回目でしたし、撮影されること自体にもなかなか馴染みがなかったこともあり、撮影前は工房全体に少し緊張感があったことを覚えています。
しかし、川しまさんの常に自然体で撮影に臨まれる姿や雰囲気に工房の空気も和らいで、あまり構えずにいつも通り作業を進めることができ、田植えの美しい写真を撮っていただくことができました。
この年は田植えの撮影に留まらず、8月の青刈り、10月の稲刈り、12月のしめ縄作り、と1年で4回に渡り撮影にお越しいただき、川しまさんの熱量の高さに驚かされました。
また私たちの仕事の撮影は、足元の悪い田んぼの中や真夏の炎天下の中、真冬の雪が散らつく中、わら埃が舞う中など、さまざまな過酷な環境下で撮影を行う必要がありますが、そんな撮影環境を物ともせずにカメラを構えるパワフルさにも驚かされました。
切られたシャッターの数は約2万回にも及んだそうです。
川しまさんのとんでもない熱量とパワフルさを最初に感じることとなったこの2019年に撮られた写真は、その翌年にカゴアミドリさんの企画展で、同時開催の写真展として、パネル展示と「わらしべを巡る」というフォトブックなどで皆さまにご覧いただくこともできました。
川しまさんの写真は、普段何気なく見ている風景を、美しく、色鮮やかに見せてくれます。
川しまさんに写真を撮っていただくことで、ウェブサイトやSNSなどで工房を知ってもらうきっかけとしても大きな役割を担ってもらえるようになると同時に、私たち自身もこのわら細工たくぼの仕事を再認識し、また再評価できるようになったと強く感じています。
川しまさんは、自然の生命力やものづくり、人々の暮らしを撮ることがライフワークだと言います。それらに魅力を感じ、それらを美しく切り取り、表現することのできる川しまさんだからこそ撮れる写真なのではないでしょうか。
今後も川しまさんの目に魅力的に映し続け、写真を撮り続けていただけるよう、私たちも良い仕事を続けていきたいと思います。
以下、川しまさんのコメントをいただきましたので、ご紹介いたします。
若い頃はバックパックで海外をめぐりながら、旅の写真家を目指していましたが、
フォトグラファーとなり、様々な人たちを撮影する中で、農業と育む人、ものづくりに惹かれていき、
自分でも畑を借りて土と向きあいはじめた頃、たくぼさんのわら細工と巡りあいました。
農業とアートが結びついた形、日之影町の風土、工房の繋がりに引き込まれ、
写真を撮りたい!と強い気持ちが湧き、初めてお会いした際に通わせてもらいたい。とお願いしたことがはじまりでした。
東京からいきなり来た自分を暖かく迎えていただいてから数年が経ち、今では親戚の家を訪れるような心持ちです。
これからも折々で写真を撮らせてもらいたいと思います。
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フォトグラファー 川しま ゆうこ
https://www.instagram.com/kawashimayuko_peeco
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